場の量子論を制覇しよう!

量子力学から始めて場の量子論までを制覇する試みです。ブログの先頭に戻るには、表題のロゴをクリックして下さい。

あまりの誤解

 現在2020年7月6日17時25分である。

 明日(7月7日)は、七夕である。だが、私達(渡辺麻友さんと、松田太郎)は、今年も会えそうもない。

「いつも、数学や物理学の話をしているが、伝わっているのだろうか?」

と、考えた。ふと、

「私は、麻友さんを、高校を優秀な成績で卒業した女の人で、数学もバリバリできるのではないかと、思っているが、とんでもない間違いなのではないか」

という可能性に気付いた。

通信制高校で、AKB48に忙しくて、やっと単位を揃えて、高校を卒業した麻友さんに、とても読めないものを、書いていたのではないか」

と。

 だが、

「じゃあ、やっぱり、振られていたんだな」

と思う、私ではない。

「麻友さんに、物理学をきちんと説明するには、どこから始めたら良いのだろう」

と、考えた。有名な「とね日記」というブログを書いている、とねさんは、『ファインマン物理学』から始めた。『「ファインマン物理学」を読む』を書いている、竹内薫さんも、『ファインマン物理学』を、推奨している。


 竹内薫さんの本も、持ってはいるのだが、頭を冷やして考えると、ヒッポの『フーリエの冒険』、『量子力学の冒険』から始めても、麻友さんには、難しいのだろう。

フーリエの冒険

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  • 発売日: 2013/07/01
  • メディア: 単行本

量子力学の冒険

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 私には、文系の高校生の女の子の数学のレヴェルなんて、想像できないのだ。大学に入学して、線型代数微積分の授業があった。どちらも、教科書を指定してきたが、以前書いたと思うが、私は高木貞治の『解析概論』と、先輩から良い本だと聞いた、佐武一郎の『線型代数学』を、読み始めた。そうしたら、以前ネバーエンディングナンバーという話のとき名前を出した、加藤文元(かとう ふみはる)さんという先輩が、

「女子大の数学科というのは、どうなってるんだろうねえ。今年京大の大学院に、奈良女子大学数学科を出たっていう子が、入ってきたんだけど、数学科出てて、『ジョルダン標準形知りません』って、あり得るのか?」

と言った。私は、

ジョルダン標準形?」

と、『線型代数学』で、調べたら、第Ⅳ章に書いてあり、1回生のあいだに、勉強するのだろうなと思った。

 ところが、私は、失恋もあって、1回生のとき、線型代数の授業にあまり出ず、友達が、

「今から試験やるからおいでよ」

と、電話をくれたので、辛うじて単位は取ったが、全然勉強していなかった。

 『ジョルダン標準形』という言葉は、微分方程式でも使うので知っていたが、私は、完全に対角化できる行列なら、大丈夫だが、いわゆる『ジョルダン標準形』までしか標準化できない場合の、計算の仕方を、知らなかった。そのまま、京都大学を中退してしまった。

「これじゃ、数学科卒になれなかったな」

と、トラウマに感じていた。そんな頃、妹が結婚した。夫君は、早稲田で、常微分方程式の研究をしていたと、聞いていた。鶴見に来たとき、大学で、数学で苦労したという話で、私が、

「例えば、ジョルダン標準形で、対角化できない場合とか・・・」

と、言いかけたら、

ジョルダン標準形って、なんですか」

と、向こうから言われて、

「あの、対角線上に固有値が並んで、そのひとつ上に、1がズラーッと、並ぶのですよ」

と、答えたが、そのときまだ、私は、計算の仕方を知っていたわけでは、なかった。

 最終的な結論は、加藤文元さんなどが、あまりにも、素晴らしかったのだということである。加藤文元さんは、その後代数幾何学に進み、最近では、以下の本を書いているくらいである。

加藤文元『宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃』(角川学芸出版


「なに? 私に取って、ジョルダン標準形は、どうなったかって? 私の『線型代数入門 2’』というノートに

ジョルダン標準形を求める方法が分かった。2013.2.28 2:16  1992年から21年かかった』

と、刻印してある。ここまで、数学科にいましたとは、言えなかったのだった」

 妹の夫君は、

情報科学科で、微分方程式をコンピューターを使って、数値的に解くことを研究していたのです」

とのことだった。もしかしたら、奈良女子大学の女の子も、偶然知らないところにあたっただけなのかも知れない。


 さて、こういうことは、あるにしても、麻友さんは、あまりにも、数学や物理学に、免疫がないのだと、段々分かってきた。『ファインマン物理学』だって、本当のところ、難しいのだと、やっと分かった。じゃあ、物理入門は、どうすればいいか? 『量子力学の冒険』か? 多分そこまで下げないと、麻友さんは、付いてこられないのだろう。だって、あれを書いた子達は、一応高校卒の子供達だものな。

 ここまで来て、麻友さんと、すべての階段を歩んで、場の量子論一般相対性理論を、制覇するのは、少なくとも結婚前には無理だと、納得せざるを得ない事態に至った。

 いや、今まで、5年と3カ月、こういう状態を続けてきただけでも、お互い涙ぐましい努力があったと思う。


 そこで、方向転換する。

 このブログを含む5つのブログ、『場の量子論を制覇しよう!』のブログと、『力学』のブログと、『ブルバキランダウ』のブログと、『1から始める数学』のブログと、まだ準備中の『多様体幾何学』のブログの5つに登場する麻友さんは、今までの5年と、さらにこれから5年の10年間、私と数学と物理学を学んで、私が大学中退時に持っていた程度の、知識、計算力と才能を、持っているものとする。また、若菜は高校1年生から大学3年生へ、結弦は中学2年生から大学1年生へと成長しているとする。例えば、


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麻友「『多様体幾何学』って、幾何学というのは、ユークリッド幾何学じゃ、ないわよね?」

若菜「多様体使うんだから、曲がった幾何学でしょう」

結弦「多様体って、何年生で習うの?」

私「学校で学ぶまで、待ってなくていい。勉強したかったら、今すぐでも、勉強しろ」

麻友「ウッ、手加減してくれない」


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という感じである。

 一方、現在の麻友さん達を、そのまま残すのは、『相対性理論を学びたい人のために』のブログと、『『数Ⅲ方式ガロアの理論』のガイドブック』のブログと、『女の人のところへ来たドラえもん』の3つのブログである。昔からの『相対論とドラえもんガロア』を、温存するのだと覚えていて欲しい。

 5年後、という設定になっていて、2025年のはずであるが、ブログの日付は、現在のものを、そのまま用いる。数学や物理学の本は、手加減せずに読むが、現在の麻友さんが読んでも、面白いと感じる部分があるようにする。数学や物理学の本を、小説のように読むのは、面白いものでもあるのだ。

 それでは、これより、計画を始める。

 現在2020年7月6日20時26分である。おしまい。