場の量子論を制覇しよう!

量子力学から始めて場の量子論までを制覇する試みです。ブログの先頭に戻るには、表題のロゴをクリックして下さい。

量子力学の冒険

 現在2021年4月13日18時24分である。(この投稿は、ほぼ3986文字)

若菜「この本、引き受けちゃったんだけど、大丈夫かしら?」

量子力学の冒険

量子力学の冒険

  • 発売日: 2019/07/01
  • メディア: 単行本

麻友「あらっ? この前買ったのと、違うわ?」

私「麻友さんは、改訂版が出る前に、買ったのかな? 表紙は違うけど、中はほとんど同じだよ。どちらでも、付いてこられるようにしよう」

量子力学の冒険

量子力学の冒険

  • 発売日: 1991/08/01
  • メディア: 単行本

若菜「お父さんは、いつ頃、この本を、読んだの?」

私「大学1回生の終わり頃、横浜の親友たちに会うために、叔父さんと叔母さんの家に泊めてもらう形で、東京へ出て来た」

若菜「1992年ですね」

私「今でもあるのかどうか、知らないけど、青春18切符というのがあって、JRの各駅停車、1日2500円くらいで、乗り放題というものがあった。京都から、東京まで、片道、2500円で、10時間以上かけて、乗り継いできた。その車中で、この本を、ほとんど読んだのを、覚えている。ただひとりの女性の親友。フェラーリの親友。中学高校の天文班生物部の親友。と、会った」

麻友「その、『ただひとりの女性の親友』というひと、表現が、微妙に、違うじゃない」

私「分かっている。あるときまで、『ただひとりの女性の親友』と言っていたのが、『ただひとりの女性の親友と言っていた人』と、変えてきた」

麻友「つまり、過去形なのよね。どうしてなの?」

私「こんな話、してる場合じゃないな。簡単に言うと、私がちょっと彼女に意地悪したみたいになっちゃって、それ以来、メールを送っても、返事が返ってこなくなったんだ。だけど、麻友さんの前で、他の女の人をいじめるのは、あまりよくないので、『ただひとりの女性の親友』に、戻したんだ」

麻友「その人から、メールの返事がないのは、変わってないのね?」

私「うん」

結弦「大人の男女は、大変だ」

若菜「お父さんが、十分お金を稼げていれば、お妾さんを、沢山持てたかも知れないけどね」

麻友「そんな、お金で、満足する女の人では、ないわ」

私「ちょっと、ちょっと、女の人が絡むと、収拾がつかなくなるな。若菜、本文始めてくれ」


若菜「はい。ところで、お父さんは、昨日、本のまえがきや目次まで、写していたと、言ってました。以前、ブルバキの序文を、全部見せてもらいましたけど、他にはありません?」

私「昨日話した、『代数学講義』のノートを、見せてあげよう」

f:id:PASTORALE:20210413192557j:plain

f:id:PASTORALE:20210413192656j:plain

f:id:PASTORALE:20210413192728j:plain

f:id:PASTORALE:20210413192808j:plain


私「著作権の帰属に関する記述まで、写している」



f:id:PASTORALE:20210413192846j:plain

f:id:PASTORALE:20210413192935j:plain

f:id:PASTORALE:20210413193034j:plain

f:id:PASTORALE:20210413193118j:plain

f:id:PASTORALE:20210413193258j:plain


私「ここから、目次だ。8ページから15ページまである」


f:id:PASTORALE:20210413193401j:plain

f:id:PASTORALE:20210413193459j:plain

f:id:PASTORALE:20210413193600j:plain

f:id:PASTORALE:20210413193649j:plain

f:id:PASTORALE:20210413193719j:plain

f:id:PASTORALE:20210413193803j:plain

f:id:PASTORALE:20210413200048j:plain

f:id:PASTORALE:20210413193855j:plain


麻友「ここから、本文ね。18ページに、『1994.6.8』と、あるわね。このとき、私、0歳だった!」


f:id:PASTORALE:20210413194115j:plain

f:id:PASTORALE:20210413194210j:plain

f:id:PASTORALE:20210413194253j:plain

f:id:PASTORALE:20210413194343j:plain

f:id:PASTORALE:20210413194431j:plain


麻友「このノートは、何冊続いたの?」

私「麻友さん。麻友さんが生まれているということは、この1月後には、私は、気が狂うんだよ。『1994.7.16』で、ノートは終わっている」

結弦「ああ、そういうことか。お父さんの頭が、壊れちゃうのか」

若菜「確かに、お父さんにしては、綺麗すぎるくらいの字ですものね」

私「私の字が綺麗かどうかと、精神状態は、かなり関係している。ただ、字が綺麗なとき、私の状態が良いとは、限らない。むしろ、巫女さんが神がかりてきになったときみたいに、アイディアが湧いて湧いてというときは、綺麗な字では、書いていられなくなる。ただまあ、綺麗な字で書いているときは、比較的落ち着いているという意味では、良い状態だ」

麻友「でも、太郎さんは、どうして、ラヴレターも、シャーペンで、書くの?」

私「私、長文を書くから、便箋に余裕がないんだよ。『Crow's Blood』のときなんて、便箋の裏まで、使ったでしょう。だから、書き間違えたら、消したいんだよ。それで、シャーペンで、書いてるんだ」

麻友「やっと、納得したわ」


私「若菜は、そもそも、この冒険の主人公を、良く知らないだろう」

若菜「はい」

私「主人公は、もちろんこの本を読む読者なのだが、量子力学を作った人、ヴェルナー・ハイゼンベルグが、なんであんなことができたかを、知っておくのは、意味がある」

結弦「僕も興味がある」

私「ハイゼンベルグは、大学に入る前から、ヘルマン・ワイルの『空間・時間・物質』という本を読んでいるくらい、物理学の才能のある青年だった」

若菜「『空間・時間・物質』って、どのくらいの程度の本なんですか?」

私「アインシュタインが、数年前に建設した、一般相対性理論を、解説した本なんだ。今では、通俗書や入門書や専門書が出そろって、優秀な人は、高校生でも手を出せるようになっているが、私でも、大学に入るまで勉強できなかったものだ。それを、1920年頃に、もう勉強していたなんて」

麻友「じゃあ、大学で、その勉強をしようと思っていたのね」

私「いや、ハイゼンベルグは、数学も好きだったんだ。ミュンヘン大学には、あの {\pi} が、超越数であることを、証明した、リンデマンが、研究室を持っていたんだ」

若菜「以前、 {\pi} の超越性、証明しましたね。分からないところも、たくさんありましたが」

私「それでね、ハイゼンベルグは、リンデマンのところへ行って、『弟子にして欲しい』と、申し出たんだ」

麻友「あっ、でも、駄目だったのよね。そうでなきゃ、物理学者ハイゼンベルグは、誕生してない」

私「リンデマンが、『最近どんな本を読みましたか?』と、聞いた。それに対し、ハイゼンベルグは、『『空間・時間・物質』です』と、答えた。リンデマンは、『それでは、あなたは数学をやってもどうせだめでしょう』という返事で報いた」


若菜「だから、ハイゼンベルグは、量子力学を作れたのね」

私「実は、それだけじゃないんだ。行き場を失ったハイゼンベルグは、お父さんと相談して、ゾンマーフェルトという物理学教授の門戸を叩く。ここで、ハイゼンベルグは、1年年上の、ウォルフガング・エルンスト・パウリと、共に、グングン頭角を表す。ゾンマーフェルトに、教わった複素解析関数論を、用いて、流体力学で、綺麗な流れから、乱流に変わる境目を求めた。これが、学位論文になった」

結弦「すげー。だって、1920年頃大学に入学していて、量子力学は1926年だろ。1924年には、博士号取ってるってことじゃん」

私「良く、年号が身に付いているな。1924年に博士号を取って、2年後に、永遠不滅の量子力学の記念碑が建てられたのは、なぜか?」

若菜「理由があるんですか?」

私「乱流に変わる境目を、ハイゼンベルグは、学位論文で求めた。ところが、直後に数学者ネーターが、この条件では、乱流は起こらないという論文を、発表した。この論文は数学的に厳密で、ハイゼンベルグは反証できなかった」

麻友「分かった。博士号が危なくなるので、ハイゼンベルグは、物理学できちんと業績を残そうと、必死で頑張ったのね」

私「そうだったのだろうと、私は見ている」


若菜「この本読んでいく楽しみが、できました」

麻友「もう、22時43分よ。寝た方がいいわ」

私「ほとんど進まなかったけど、量子力学へのホップ・ステップ・ジャンプの、ホップくらいには、なったかな。じゃあ、おやすみ」

若菜・結弦「おやすみなさーい」

麻友「おやすみ」

 現在2021年4月13日22時47分である。おしまい。