場の量子論を制覇しよう!

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量子力学の冒険(その2)

 現在2021年5月10日17時39分である。(この投稿は、ほぼ3808文字)

若菜「あらっ、『量子力学の冒険』は、火曜日ではなかったでしたっけ?」

私「もう、ひとつき以上、待たせてしまった。面白い記事が、書けそうなので、前日から、準備している」

麻友「太郎さん。量子力学なんて、勉強しても、私達に取っては、役に立たないのよ」

私「それは、今日の、私の講義を聞いてから、言って欲しい」

結弦「おっ、強気の発言」


私「麻友さんも、中学で、物質は、原子からできていると、習ったと思う。それに、私と、ドラえもんのブログで、『躍るアトム』(~その5)も、やった。それから、こういう動かぬ証拠もある」

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AKB48中学理科 (AKB48学習参考書)

AKB48中学理科 (AKB48学習参考書)

  • 発売日: 2011/08/30
  • メディア: 単行本

62,63ページより。




麻友「もう、イジワル。理科なんて、中学のときから、暗記で、試験クリアしてきたのよ。そういう太郎さんこそ、中学の化合と分解で、酸化銀を熱すると、還元されて、純粋な銀になるのに、銅を熱すると、酸化銅になるって、矛盾していると、思わなかった?」

私「思った。一方は、分解されるのに、もう一方は、酸化される。どう考えてもおかしい。私は、持っていた参考書で、徹底的に調べた。書いてない。次は、理化学辞典。説明が難し過ぎて、分からない。こうなると、自分で考えるしかない。私は、考えた。酸化銀は、熱せられると、還元されて純粋な銀になる。そうすると、銅は、熱せられるとまず酸化されるが、もっとどんどん高い温度まで、熱せられたら、ある高い温度で、今度は酸化銅が還元されて、純粋な銅になるのではないか?」

若菜「えっ、そうなの?」

私「本当かどうかは、知らない。でも、中学時代の私は、それで、その部分を、乗り切った」

結弦「お父さん。どうして、そんなこと、思いつけるの?」

私「そうでなきゃ、県立高校入試で、理科50点満点なんて、取れない」

若菜「まだ習っていないことを、出されて、それを、自分の力で解決できなきゃならないんですね」

私「そこだよ。私の言ってることで、分からないところがあっても、質問しても良いけど、まず、自分なりに、頭で、考えて、へりくつでもいいから、理由作ってから、質問してごらん」


麻友「これが、ゼミナールか。それで、原子の話を、持ち出したのは?」

私「よく、原子力発電所のそばは、放射能で危ないとか、レントゲンの撮影をするとき、X線(エックスせん)という放射能を浴びるけど、ちょっとだから、大丈夫とか、言うね」

若菜「よく聞きます」

私「私も、不勉強だったのだが、麻友さんに説明しようと思っていて、相対論のブログの『結婚をシミュレート(その32)』の記事のとき、理科年表、平成30年(2018年)の、物87(455)ページで、脚注に、

『X線と {\gamma} 線の区別は波長(振動数)によるのではなく,電子の状態の遷移によって発生するものをX線,原子核の状態の遷移によって発生するものを {\gamma} 線という』

とあり、目から鱗だった。アンダーラインを引いて、『2019.12.15 8:43:47』と、時刻の刻印がある」

結弦「1年半前だね」

麻友「今更、何を、言いたいの?」

私「量子力学を、学んで身に付くことの、ひとつに、光は、波であると同時に、粒子でもある、という、耳にたこができるほど、聞かされていることの、本当の意味を知ることがある。上の写真で、大島優子さんが、

『それがね、研究が進んでいくと、原子は中心に+の電気を持った原子核が1つあって、そのまわりを、-の電気を持った電子が、回っていることが、わかったんだよ!』

と言っている部分がある」

若菜「ああ、言ってますね。横に描かれているのは、ヘリウムだと、書いてあります」

結弦「もう一回持ってこよう」

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私「まず、高校に入ると習うのは、電子は、こんな風に、山手線みたいに、円を描いて回っているのでは、ないということ」

若菜「私の高校の参考書に、こんな絵が描いてありました」

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(稲本直樹『解明 新化学』(文英堂)より)


私「字は読まなくて良い。下の、3次元プロットしてある気球みたいなのが、あっち向いたりこっち向いたりしている絵を、見て欲しい」

若菜「あっK殻、L殻、M殻って、やりました。sオービタル、pオービタル、dオービタルって、意味不明でしたけど」

私「分かるわけないよ。私だって、高校時代、分かってなかった」

麻友「太郎さんでも?」

私「この気球の形を、どうやって描いたのか、私は知りたかったが、そんなことを、書いてある本には、巡り会わなかった」

結弦「それで、この気球っていうか、ドーナツみたいのとかは、どうやって求めるの?」

私「それが、『量子力学の冒険』の、メインイヴェント、『シュレーディンガー方程式』だよ」

麻友「えっ、シュレーディンガー方程式? 確か、相対論のブログの『数学を専攻するとは、どういうことか(その2)』で、形だけ、見せてもらった」

私「良く覚えてるね。思い出しておこう」


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 麻友さんと一緒に冒険することになっている、量子力学の基本の方程式は、シュレーディンガー方程式というんだけどね。

「ああ、シュレーディンガーって、前にも聞いたわ」

 そのシュレーディンガー方程式というものは、見た感じもちょっと変だし、スピードの速い電子などには使えない、ちょっと不満の残るものだったんだ。

「どんな形か、ちょっと見せてよ」

 ときと場合によって、色々係数は変わるけど、

{\displaystyle i\hbar \frac{\partial}{\partial t}\psi(\mathbf{r},t) =\biggl(-\frac{\hbar^2}{2m} \varDelta +V(\mathbf{r}) \biggr)\psi(\mathbf{r},t)}

というようなものなんだけどね。

 シュレーディンガーも、スピードの速いものも扱える、つまり相対論との相性の良い方程式を探してたんだけど、今は無理だと思って、妥協案のシュレーディンガー方程式を思い切って、発表したんだ。

「どうなった?」

 これが、大成功だった。妥協案ではあったんだけど、シュレーディンガー方程式は、解きやすかったんだ。

 相対論と相性の良い、ディラック方程式というものは、2年後の1928年に、ディラックが発表した。

「それも、形だけ見せて」

 細かい説明は、できないけど、

{\displaystyle i\hbar \frac{\partial}{\partial t}\psi(\mathbf{r},t) =\biggl(-\frac{\hbar c}{i} \alpha \nabla + \beta m c^2 \biggr)\psi(\mathbf{r},t)}

というようなもの。

シュレーディンガー方程式には、上向き三角、ディラック方程式には、下向き三角、があるのね。かわいいわね」

 上向き三角は、ラプラシアン。下向き三角は、ナブラという。


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(相対論のブログの『数学を専攻するとは、どういうことか(その2)』という記事より)


若菜「『量子力学の冒険』を、読むと、このシュレーディンガー方程式を、解いて、sオービタルや、pオービタルや、dオービタルを、描けるようにように、なるのですか?」

私「物理の世界は、そんなに、甘くない。『量子力学の冒険』は、入門前夜だ。だが、読み終わった人が、次のステップとして選べる、易しい本は、少ない。私は、次は、ヒッポが、参考文献に挙げている、岩波物理入門コース全10巻の中の、

 中嶋貞雄『量子力学Ⅰ・Ⅱ』(岩波物理入門コース)

が、良いのではないかと思う。全10巻、読んでも良いが、全10巻読んだ私に取って、7巻『熱・統計力学』と、8巻『弾性体と流体』は、余りお勧めできない。自分に合った、別な本で、勉強した方が良いのではないか? それから、10巻『物理のための数学』は、数学的に厳密ではないので、そういう本が嫌いな人は、例えば、レヴェルは高いが、

谷島賢二『数理物理入門 改訂改題』(東京大学出版会

数理物理入門 改訂改題 (基礎数学11)

数理物理入門 改訂改題 (基礎数学11)

などで、証明を補いつつ、読んだ方が良いのでは、ないだろうか。私は、岩波物理入門コースは、数学的厳密さは、諦めて、楽しいコラムを読みながら、大学時代に1回。戻ってきてからもう1回、通読した。

 それから、ヒッポが、参考文献に挙げている、

朝永振一郎量子力学Ⅰ・Ⅱ』(みすず書房

量子力学 I (物理学大系―基礎物理篇)

量子力学 I (物理学大系―基礎物理篇)

量子力学〈2〉

量子力学〈2〉


と、ヒッポは挙げていないが、

朝永振一郎角運動量とスピン』『スピンはめぐる』(みすず書房

角運動量とスピン―『量子力学』補巻

角運動量とスピン―『量子力学』補巻

スピンはめぐる―成熟期の量子力学 新版

スピンはめぐる―成熟期の量子力学 新版

などは、英訳までされている名著なので、式が分からなくとも、小説のように、読んでおきたい。


 中嶋貞雄さんの2冊の次は、今、私が読んでいる、

グライナー『量子力学概論』(丸善

が、かなり良い。第1章、第2章、第3章は、読みにくいから、第4章から、頑張って読むと良いかも知れない。ここで、やっと、dオービタルなどが、描けるようになる。量子力学中級である」



麻友「話の途中だけど、もう、23時28分。寝た方がいいわ」

私「じゃあ、バイバイ」

麻友・若菜・結弦「おやすみ」

 現在2021年5月10日23時31分である。おしまい。


 現在2021年5月11日9時40分である。後半の文献を、追加した。