場の量子論を制覇しよう!

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量子力学の冒険(その5)

 現在2021年5月14日20時25分である。(この投稿は、ほぼ2234文字)

麻友「一昨日から、待ちわびたわよ」

私「ごめん。再発見が、重なって、書きたいことが、山のようにあるんだ」

若菜「直近の再発見は?」

私「一昨日(5月12日)に、原子核って半径 {1\mathrm{fm}} (いちフェムトメートル {10^{-15}\mathrm{m}})くらいだと、話しただろう」

結弦「覚えている」

私「それで、さっき、フェムトって、何語かなと、思って、電子辞書で、『フェムト』って、調べたんだ」

麻友「何語だったの?」

私「フェムト(femto)は、デンマーク語の femten (15という意味)から、取ったらしい」

麻友「ふーん」

私「この連載で、恐らく最大の再発見は、この後、起きた」

麻友「えっ、最大?」

私「フェムトで、電子辞書を串刺ししたら、ブリタニカ国際大百科事典で、『フェムト秒分光学(Femtosecond spectroscopy)』というのが、ヒットした。再発見として大きいというのを、実感してもらうために、全文写そう。


フェムト秒分光学

フェムト秒(fs と略す。1fsは1000兆分の1秒)程度の超短光パルスをレーザーでつくり,超微細,超高速の物理,化学,生物現象を調べる方法。1999年度のノーベル化学賞受賞者であるエジプト生まれのアメリカの化学者 A.ゼワイル が創始した。1fs の光パルスは長さにすれば {0.3~\mathrm{\mu m}} (マイクロメートル)程度だが,分子や原子の振動周期は数十~数百 fs なので,フェムト秒程度の超短光パルスを使えばそれらが励起したり反応したりするときの様子をいわば「スローモーション」で知ることができる。触媒の中間状態などの化学反応,光合成や視覚情報処理などでのたんぱく質の挙動など,広範囲の応用がある。また短い光パルスはより長いパルスを場所的に集中させてつくるため,ピーク強度もごく強くすることができる。そのようなピーク強度の強いパルスは入力と出力が比例しない非線形光学現象を起こすことができ,これらはさらに高感度,高分解能の分光に使われている。


麻友「スローモーションで、見られるというところが、重要なのかしら?」

私「まず、1fsの光パルスは、長さにすれば、{0.3~\mathrm{\mu m}} と、書いてある。これを、確かめる。光の速さは?」

若菜「秒速30万km」

私「だったら、1fsの間に、何メートル、進む?」

若菜「えーと、30万kmの、{\displaystyle \frac{1}{10^{15}}} だから、

{3 \times 10^5 \mathrm{km} \div 10^{15}=3 \times 10^{-10} \mathrm{km} = 3 \times 10^{-10} \times 
 10^3 \mathrm{m} }

{=3 \times 10^{-7} \mathrm{m}=0.3~\times 10^{-6} \mathrm{m}=0.3~\mathrm{\mu m}}

あっ、パルスの長さになってる」

私「そう。若菜は、ここの議論が、正しいことを、ちゃんとチェックしたんだ」

若菜「物理学の文章って、こうやって確かめながら、読むんですね。でも、流石に、1fsでは、光と言えども、たった、0.3ミクロンしか、進めないんですね」

私「その認識は、重要」


結弦「でも、お父さんが、この連載の最大の再発見ということは、もっとあるんでしょう」

私「後半に、非線形光学現象を起こすことができ、という言葉がある。実は、大学入学後、2回生になった4月から、岩波書店が、『岩波講座 現代の物理学』という21巻のシリーズを発刊し始めた。

1992年4月、

和達三樹非線形波動』(岩波講座 現代物理学14)


1992年5月、

花村榮一『量子光学』(岩波講座 現代の物理学8)


 この2冊は、フェムト秒分光学の本だったのに、私は、その価値も知らず、大切な本なのだろうと買ったのに、難しくてほとんど読まなかった。ノーベル化学賞を受けたゼワイルが、上の業績を挙げたのは、1980年代。もう全部、分かっていたんだね」

麻友「太郎さん。もう、フロンティアは、ないと思う?」

私「それは、考え方による。例えば、若菜が、『量子力学の冒険(その3)』で言っていた、

『ここで、水を電気分解して、水素を仕入れて、その水素の原子核、つまり陽子を手に入れて、その陽子を、ウランの原子核に持って行って、どれかひとつの陽子と、入れ換えたら、そのウランの性格が、変わるのでしょうか?』

という疑問に、現代の物理学で、答えられるのかどうか、ちょっと、疑問だ」


結弦「今日の話は、面白かったけど、もう、23時21分だ。終わりにしようよ」

私「そうだな。じゃあ、解散」

若菜・結弦「おやすみなさーい」

麻友「おやすみ」

私「おやすみ」

 現在2021年5月14日23時23分である。おしまい。