現在2021年5月20日21時13分である。(この投稿は、ほぼ2476文字)
麻友「また、遅くなっちゃっているわね。今日は、何をしていたの?」
私「マックで、グライナーの本を、研究していて、第4章に入ると共に、ノートも4冊目に入った。『量子力学概論4』だ。昨日、もう4冊目を作って、2021.5.19 と、日付も表紙に書いていたのだが、実際には、5月20日から、新しいノートを、使い始めた」
量子力学概論(新装版) (SPRINGER UNIVERSITY TEXTBOOKS)
- 作者:W. グライナー
- 発売日: 2012/02/29
- メディア: 単行本
若菜「第1章、第2章、第3章、は、飛ばして、第4章から読んだ方が良いかも知れないと、仰ってましたが、どうしてなのですか?」
私「量子力学が、必要とされ、出来上がっていく過程を、初めの3章で、描いている。こういう行き方は、本当は、大切だ。朝永さんの『量子力学Ⅰ』も、序文は、
『本書はあまり急がないで量子論を勉強しようとする初学者のために書かれたものである.』
で、始まっている。
- 作者:朝永 振一郎
- 発売日: 1969/12/20
- メディア: 単行本
だが、一般相対性理論のように、数学的に難しくてたまらないものならともかく、非相対論的量子力学というものは、そんなに数学的に難しいものではなく、線型代数という大学の理学部や工学部の1年生で学ぶものさえ知っていれば、歴史的経緯なんか、すっ飛ばして、一気に学びきれるようなものなのだ。ところが、グライナーの本では、確かに、第1章の『コンプトン効果』、『フランク-ヘルツの実験』、第2章の『プランクの輻射法則』、『黒体輻射』、『宇宙の黒体輻射』、第3章の『電子,中性子の散乱』、『ハイゼンベルクの不確定性原理』、『ガウス形波束の性質』、『量子の国のメロン』、など、面白そうな話題は多いのだが、図が間違っていたり、まだ説明していないデルタ関数を、使ったり、誤植があったりと、挫折しない方がおかしいほどなのだ。1度、第4章以下を、理解してから、第1章から読み直した方が、よっぽど頭に入るような気がする」
若菜「そうはいうものの、お父さんは、第1章から、読んだんですね」
私「これには、種があるんだ。私は、この本を、5回以上、恐らく10回近く、読み始めている。そのたびに、第1章や、第2章で、沈没した。だが、そのときのノートは、残っている。その沢山のノートを、見返しながら、今回、難しいところを克服し、晴れて第4章に入った。入ってみれば、前の章に書いてあったことで、必要なものは、ほとんど無かったのだ」
若菜「経験者は語る。ですね」
結弦「そうすると、『量子力学の冒険』は、どうやって、シュレーディンガー方程式に、行き着くの?」
私「それは、読んでのお楽しみだけど、ひとつ言っておくなら、ヒッポは、1変数だけで、考えている。1sオービタルなら、球形だから、原子核を中心として、原点からの距離 の関数とすれば、計算できる」
結弦「あっ、じゃあ、 軌道なんかは、計算できないんだ」
若菜「えーっ、そういうこと? ガッカリ」
私「ただ、お前たちには、私がついている。『量子力学の冒険』のその先へも、誘える」
麻友「上手いわねえ。こういう言葉に、何度騙されたか。でも、太郎さんは、待ちくたびれて忘れた頃、義理堅く、約束を果たしてくれたりする。気長に構えなきゃね」
私「今日は、これだけ、やってたんじゃないんだ。理科年表を読みながら、物理学の単位は、まず秒の定義から始め、光の速さを、 と定めることで、長さ(メートル)を定義している。つまり、光の速さが、一定でなければ、メートルは、確定しない」
結弦「そういうことなの?」
私「一応、私達も、相対論のブログで、『相対論への招待(~その40)』の連載で、相互作用は、常に一定の速さで伝わるとして、時間の遅れの由来を計算したね」
若菜「そうでした」
私「次に、プランク定数(ハー) で、ジュール() という単位が、で、熱量でありエネルギーなんだけど、エネルギーは、 だから、単位は、 なわけで、最初のプランク定数(ハー)は、
となる。ここで、秒とメートルは、既に定義してあって、 だけが、定まっていない。ここから、どうやって、 を定義するか」
麻友「そういうことを、考えていたの?」
私「そう。ここで、プランク定数というのは、振動数(1秒間に何回振動するか)が、 の光のエネルギーは、 となる定数なんだ。これは、今日、結論を出せなかった」
若菜「馬鹿だと思われるのも、大切でしたね」
結弦「じゃあ、もう23時39分だし、おしまいだね」
麻友「おやすみ」
若菜・結弦「おやすみなさーい」
私「おやすみ」
現在2021年5月20日23時40分である。おしまい。