現在2022年5月14日16時23分である。(この投稿は、ほぼ2171文字)
麻友「太郎さん。以前、東京大学の大学院受けたって、言ってたじゃない」
私「落ちたけどね」
若菜「学力が、到底及んでなかった。とか言って、学部からやり直すとか」
結弦「試験が、難しかったの?」
私「試験は、お金払っちゃったから、受けたけど。試験前に、落ちることは、分かってたんだ」
麻友「落ちる前から、分かってるなんて、予言者でもないのに」
私「以前にも話したかも、知れないけど、私が、京都大学で、半年だけ専攻したのは、天体核物理学というものだった。分かりやすく言うと、一般相対論的宇宙論。佐藤文隆(さとう ふみたか)さんの研究室で、佐々木節(ささき みさお)さんも、その下にいた」
麻友「だから?」
私「父母から、『京都で下宿する場合、生活費は、出さないぞ』と、言われていた。私としては、住まいのある、東京大学の大学院を、受けなければ、ならない。東京大学で、佐藤勝彦さんに、相対論のブログの、『どの先生も立派だな』の投稿にあるように、『もう退官するので』と、言われてしまい、やむなく、似たような数式を使う、素粒子論の研究室を受けることにした。先生を、ひとりひとり、チェックしていって、一番面白そうなことを、書いている先生に、的を絞った。前から言っているように、研究室訪問をする。受付に、その先生へのアポイントを、お願いして、鳩サブレーを持って、先生に、会いに行った」
若菜「本当に、会いに行くんですね。その、鳩サブレーは、賄賂には、ならないのですか?」
私「熱意を表すもので、賄賂とは違う。だから、食べ物にしている」
結弦「それで?」
私「初めまして、これは、研究室の皆さんで、召し上がって下さい」
先生「私の研究室を受けたいと?」
私「はい。あの、最近、宇宙で、観測できてる物質は、4パーセントで、ダークエネルギーが、75パーセント、ダークマターが、21パーセントとか言ってますが、あれを、どう思われます?」
先生「どういう意味で?」
私「分かっているものが、4パーセントだけなんて、科学が、自分の役割を、投げちゃってるみたいに、思えまして」
先生「それに代わる理論を、お持ちとか?」
私「いや、それは、無理なんですが・・・。この同じ質問を、京都大学基礎物理学研究所の佐々木節先生に、ぶつけたときは、『一応、傍証があるからね』と、言われまして」
先生「あっ、もちろん、科学ですからね。傍証は、あります」
私「ああ、なるほど」
私「学生の方たちは、どれくらい、勉強して、来るのですか?」
先生「こういう本を、読んだ子達が、入ってきますからね」
私「分かりました」
先生「(鳩サブレーを、差し出しながら)これは、受け取れません」
私「ありがとう、ございました」
若菜「涙が、出てきました。最初の3冊って、ワインバーグですよね」
結弦「お父さん、8年半放送大学でやったことでは、及ばないと、悟ったんだね」
私「ワインバーグは、大学院へ行ってから、読むので、間に合うと、思ってたんだ」
麻友「太郎さん。今でも、ワインバーグ、読めてないじゃない。大学院にすら、行けない。何が、ノーベル賞よ」
私「その非難は、的を射ている。麻友さんでも分かるように、現状を見せた。『量子力学の冒険』と、場の量子論などが、次元の違う話なのだと、分かってもらい、一方、地道に数学の計算を、積み上げることで、到底分からないと思っていたことが、分かることの喜びを、知って欲しかった。私は、最近、場の量子論が、ちょっとずつ分かってきている」
若菜「掛け算割り算しか、分からない、お母さんに、そこまで来いと?」
結弦「お父さんの頭の中は、どうなっているのだろう。お母さんに、どんどん、質問して欲しいのかな?」
麻友「私は、優等生よ。恥ずかしくて、質問なんか、できない」
私「麻友さんの愚問こそ、今、求められているものなんだけどなあ」
麻友「まっ、いいわ。なんで、大学院落ちたかも、正直に聞けて、良かった。学者の道は、アイドルの道と同じように、厳しかったのね」
若菜「上手く纏まりましたし、これで、投稿したらどうですか?」
私「じゃあ、バイバイ」
若菜・結弦「バイバーイ」
麻友「バイバイ」
現在2022年5月14日17時40分である。おしまい。