場の量子論を制覇しよう!

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量子力学の冒険(その15)

 現在2021年6月16日19時38分である。(この投稿は、ほぼ2657文字)

麻友「入院しなかったわね。良かった」

私「もっと、心配しててよ」

若菜「渡辺麻友様は、お忙しいのですよ」

結弦「お父さん、振られたみたい」

私「そんな欠席裁判は、許さん」


麻友「太郎さん。冗談よ。ところで、この連載の(その11)で、沢山画像を用意してたのは、使わないの?」

私「使ってみよう。ところで、核分裂の式なども、書きたいのだが、一部に、こういうデータを利用して、核爆弾によるテロを計画しかねない人々がいるので、この反応で、どれだけのエネルギーが出るかなどのデータは、あまり公開されていないんだ。私は、原子核物理学のプロではないので、きちんとは分からないことは、白状しておこう」

若菜「確かに、それは、恐ろしいですね。ところで、この画像は、どういう画像ですか?」

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私「これは、主に、ヘリウムを念頭に置いて、描かれた絵だ。キティちゃんを使って、電子を表している。基底状態と書いてあるのは、ヘリウムの2個の電子が、どちらも、一番内側の、1s軌道にいる状態だ。ここで、光などが、光子としてキティちゃんに当たって、エネルギーを渡して、キティちゃんが、もっと外にある、{2p_x} 軌道などに移ることを、励起(れいき)されたという」

若菜「こんな絵もありますね」

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私「絵には描いてないんだが、重要なことを、説明しなければ、ならない。それは、電子が、取り得る軌道というのは、どんなのでも良いのではなく、今後出てくるだろう、固有値問題(こゆうちもんだい)というものの答えとして得られる、いくつかの特別なものだけなんだ。sオービタル、pオービタル、dオービタル、fオービタル、などは、その特別に選ばれた軌道なんだ。だから、上の絵や、次の絵のように、任意の半径の軌道が取れるように思うのは、間違いなんだ」

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若菜「おーっと、いきなり駄目だし。さすが、お父さん」

結弦「spdf軌道に関しては、スペクトル線って、何? って聞いたのに、答えてもらってない」

私「軌道が、原子核から遠ざかるにつれ、そこまで励起するのに、沢山エネルギーがいる。逆に、励起されていた電子が、元の下の軌道に戻るとき、励起するときもらったエネルギーを、光として、放出する。この放出される光の光子は、励起されていた軌道のエネルギーから、戻った先のエネルギーを引いたもので、軌道毎に、特別な振動数となる。エネルギー差が {h\nu} だから。従って、どの軌道から、例えば、下から2番目の軌道に戻るかで、次のような、幾つもの振動数の光が出る。この飛び飛びの光を並べて呼ぶとき、スペクトル線が得られる。などというんだ。

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若菜「お父さん。何事もなかったかのように、かわしていく。さすが、物理学に関してのプロ。次の絵は?」

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私「これは、そんなに、今必要な絵では、ないんだ。ただ、ちょっと、この絵に関して、思い出したことを話しておくと、レーザーというものを、今の子供達は、何でも無く、使っているよね」

結弦「ああ、レーザーポインターとかね」

私「あの、レーザーというのは、原理に、量子力学が、一枚咬んでいる。量子力学を勉強していくときの、楽しみのひとつに、取っておくと良いよ」

麻友「この絵は?」

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私「原子核の中の絵がない、と言ったのだが、こんな絵しか、なかったんだよ」

麻友「本当は、こうではないの?」

私「人の心というものが、陽子の中にあるのなら、こんな巨峰とマスカットみたいな粒じゃないと、私は思うんだ」


若菜「ちょっと、気になっているんですけど、お父さんは、どう答えるかな? と思って」

私「なんだい?」

若菜「陽子って、プラスの電荷を持ってますよね。確か、{\mathrm{e=1.602~176~634 \times 10^{-19}C}} だった。それで、プラスの電荷同士は、反発する。でも、元素の周期律表を、こう見ていくと、

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原子核に、いくつも陽子があるのに、お互い仲良く、みんな暮らしている。あのプラスの電荷による反発力は、どうなったのだろうと、化学の時間に疑問に思ったのです。お父さんは、高校時代、どう思っていました?」

私「そういう疑問は、私は余り、悩まなかったのだ。なぜかというと、陽子2個が、くっついた、{\mathrm{{}^2_2He}} というものは、ないんだ。必ず、陽子がくっついているときは、{\mathrm{{}^3_2He}} の様に、横に、中性子が、1つ以上いるんだ。私は、参考書や、理化学辞典で、徹底的に調べたから、それは、確実。そうすると、中性子が、間に入って、プラスの電荷による反発力を上回る、引力を、陽子と中性子との間か、何かで、働かせて、118番目までの元素でも、上手く原子核が、成り立っていられるようにこの世界はできているのだろうと、私は高校時代から、思っていた。湯川秀樹の中間子論のことなどは、大学に入ってから、知った事なんだ」

若菜「お父さんは、お父さんなりの理屈を、持ってたんですね。酸化銀と酸化銅の還元と酸化の話といい、脱帽です」

私「でも、疑問に思うのは、重要なことだ。本当は、若菜の今回の疑問は、戸塚区の汲沢に住んでいたときの、一緒に『解析入門Ⅰ』のゼミをやっていた、Tさんの高校時代の疑問だった。多くの人が、疑問に思うことなのだろう」


麻友「もう、22時45分よ。今日は、ここまでにしては? 色々分かったこともあるし」

私「それじゃ、解散」

若菜・結弦「おやすみなさーい」

麻友「おやすみ」

私「おやすみ」

 現在2021年6月16日22時47分である。おしまい。