現在2024年1月17日9時25分である。(この投稿は、ほぼ6820文字)(昨日、ポートへ行く京浜急行の中で、スマホで書き始めた。途中から、家で書いている)
麻友「良く眠れた?」
私「そりゃー、あれだけ頭使ったら、疲れているし、寒かったので、エアコン入れて、快適に、眠って、7時31分に、目覚めた」
若菜「眠れないと、入院とかなりますものね」
結弦「早速、昨日の続き」
私「この表の根拠を問題にしていたのだった」
おもな放射性核種(放射性同位体)(2)
核種 半減期 壊変形式
17.53h
77.236d
271.74d
9.10h
70.86d
10.467m
5.2712y
6.075d
35.60h
私「ところで、半減期の、長短が、これで分かる。だが、そもそも、放射能が出ないと言っているのが、 分からない。
『ニッケル63は壊変で最終的に銅の安定した同位体となり、一切の放射性を持たず、自然や環境への脅威にもならない』
って、どういうことだ?」
麻友「『数Ⅲ方式ガロアの理論』張りだと、不利なときは戦線を拡大せよ、でしたが…」
私「良く予習してあるな。そこで、銅の方も、調べてみる」
結弦「銅も、おもな放射性核種(放射性同位体)の表に載っているの?」
私「銅だって、載っているだろうが、安定同位体と、はっきり書いてある。その場合、数ページ前の、『原子,原子核,素粒子』の最初の、安定同位体の、表を見てみる」
若菜「あれっ? お父さん。慣れすぎてる。いきなり、主な放射性核種の表、見たけど、本来『原子,原子核,素粒子』という大きな項目の、2番目が、主な放射性核種の表なんじゃない」
私「申し訳ない。理科年表なんて、目次で探したことなんてないもんだから」
結弦「じゃあ、どうやって目的の項目に、辿り着けるの?」
私「理科年表って、物理学だけのものじゃないから、暦部(れきぶ)、天文部、気象部、物理/化学部、地学部、生物部、環境部 とあるから、1174ページあっても、物理のページは、ちょっと。これを知りたいというのを絨毯爆撃する」
麻友「暇な人は、良いわねえ」
と、ありますが…」
私「さすがに、若菜にそれ以上は、無理だな」
麻友「えっ、どういうこと? 私に?」
私「麻友さんでも、多分無理。私が、昨日、気付いたことだから」
結弦「お父さんが、昨日気付いたこと? そんなの分かるわけない」
麻友「待って、太郎さんは、考えた筋道を話すから、よく聞いていれば、分かるかも」
結弦「ところで、その表の根拠は?」
私「きちんと、書いてある。
M.Wang et.al., Chinese Physics C,41(2017)030003
と、なってる」
結弦「えっ、中国で、発表された論文? 大丈夫なの?」
私「差し当たって、安定同位体が、63のものと。65のものとがあるというのがウソのはずはない。今必要なデータはそれだけなので、今は、これを、信じる」
麻友「それで、どう計算したの?」
私「放射性核種の表の下の方で、
35.60h
こうなってたな」
若菜「『』は、分からないにしても、と、言われましたけど、これ何なのですか?」
私「この元素が、ベータ崩壊するということだ」
麻友「あっ、アルファ崩壊と、ベータ崩壊と、ガンマ崩壊、というのが、有るのだった」
結弦「ベータ線というのは、電子だったな。確かにマイナスと、書いてある」
若菜「57のは、プラスって書いてあるわよ」
私「流石に、高校生にそれは、無理だな」
麻友「あっ、陽電子なんだ」
私「恐らくそう」
若菜「えっ、この膨大な表で、うっかりプラスとマイナス、書き間違ったら、どうするんですか?」
私「チェックしている人が、いるんだろうね」
結弦「それを、チェックしてあるかどうかで、信頼の置ける機関かどうかが問われる」
若菜「厳しい世界ですね」
私「私達、理論屋は、実験に回されて、ガッカリしている実験物理学者を、多く見ているが、この1行で、実験物理学者達に、恩返しができる。57の方はプラス、63の方は、マイナスだったな。ベータ崩壊というものは、電弱統一理論で、扱われるもので、量子力学不勉強の私には 、説明できない。でも、入口くらいは、知っている」
麻友「グライナーの量子力学シリーズで、『弱い相互作用のゲージ理論』は、最後の巻だったものね」
私「そう。量子力学を、真面目に勉強して行けば、この電弱統一理論を、学ぶ頃には、このベータ崩壊を、定量的に扱えるようになる、ということ」
麻友「宣伝はいいけど、太郎さんは、どう考えたの?」
私「ベータ崩壊で、電子が出てる。もし、この表で、ここがベータプラス(+)だったら、話は、全然、違っていた。どれくらい違うかを見せるため、『』でなく、『』だったとしてみよう。プラスの電荷が、1個飛び出す。麻友さんが言ったように、陽電子という形で。その陽電子は、どう用意するかというと、ニッケルの原子核の陽子が、陽電子と中性子に、別れて(?)あれっ、陽子って、崩壊しないんじゃなかったっけ? 小柴さんのカミオカンデは、本当に陽子は崩壊しないかどうか、確かめるためもあって、作ったんじゃなかった?」
若菜「迷走してます」
私「物理学でも、数学でも、おかしい仮定で始めると、大抵迷走する」
結弦「じゃ、『』で、やってみて」
私「電子が飛び出すのだな。だけどね、化学じゃないんだよ。ニッケル原子核の周りを回っている電子が、飛び出して、イオンになるんじゃないんだ。ニッケル原子核の中性子が、1個崩壊して、陽子と電子になる。その電子が、飛び出すんだ」
麻友「ちょっと! 言わせておけば、どこが原子力電池なの、放射能も汚染水も、ないじゃない」
私「電子が飛び出すところまでは、分かった?」
若菜「一応は・・・」
結弦「中性子が、壊れて、陽子と電子になる。でも、そもそも、中性子って、陽子と電子が、くっついたものなの?」
私「くっつける力の説明を、最初にしたのは、今、理化学辞典引いて、チェックしたけど、少なくとも、1934年の湯川秀樹の中間子論が、それと思って良さそう」
若菜「少なくとも、というのは?」
私「湯川秀樹は、陽子と中性子の間の核力および、ベータ崩壊を、統一的に扱う理論を構築しようと思って、中間子論を提唱したらしい。90年前だ」
麻友「太郎さんとでは、志の高さが、違うわ。やっぱり、太郎さんは、アーベルになれなかった男よ」
結弦「お父さん。ワインバーグ、読み始めたじゃない。あれだったら、弱い相互作用は、どの辺?」
私「3巻と4巻くらいだと思う」
結弦「射程に入っているんだ」
若菜「さて、ちょっと、まとめましょう。ニッケル63は、 でした。そして、銅の安定同位体が、 と なんですよね。見ていた私は、覚えています。お父さんは、 と、 の、左肩の数字が、どちらも、63なのは、偶然なのだろうか? と、一瞬考えました。『偶然じゃない。出て行ったのは電子だから、質量数は変わらないのだ。ニッケル63が、崩壊するのは、 の方だ』こうなると、予想を始めるのが、お父さんです。『中性子が1個、陽子になって、電子1個が、出て行って、原子番号29の、銅になってる。だとすると、ニッケルは銅より陽子が1個少ないはずだ。だったら、ニッケルの原子番号は、28なのだろう』この予想は、正しいでしょうか?」
麻友「太郎さん。こんなレポートが書けるところまで、勉強してあったの?」
私「だから、歴史上最高の・・・」
若菜「それは、良いとして、有名な (イーイコールエムシースクエア)という式が、あるじゃないですか。あれで、出てくるエネルギーを計算できると言いますけど、例えば今回の場合、そのエネルギーは、どうやってもらえるんですか? 放射能が、エネルギーなんだと、思っている人もいるみたいで・・・」
私「麻友さんに聞いてみようか」
若菜「お母さん。先ほど、
『麻友「ちょっと! 言わせておけば、どこが原子力電池なの、放射能も汚染水も、ないじゃない」』
と、言ってましたけど、どう思います? お父さんは、説明責任を、果たしたと言えるでしょうか?」
麻友「私、怒りながら、ヒヤッとしたのよ。電子が、飛び出してるでしょ、電子の流れが、電流よね、つまり、飛び出した電子の運動エネルギーとして、エネルギーを受け取っている。よっぽど凄い速さで、飛び出すのね。場合によっては、DNAを、切って、行く行くはガンになる場合もあるでしょうけどねえ。そういう意味で、放射能がエネルギーと言えるけど、結局、放射能が、悪いというのも、量の問題だったのよね。100年経って、やっと半分なんて、カワイイ」
若菜「あっ、そうなんだ。でも、方向がメチャクチャだったら、電流にならない」
結弦「整流器って、あるよな。あれって、確か、ダイオード。あっ、今(2024年1月17日21時49分)あの、中国のネットニュースに書いてあった、
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2枚の厚さ10μmの単結晶ダイヤモンド半導体でそのニッケル63を挟み込むモジュール構造を採用。
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(前回の投稿で、引用しているネットニュースより)
の、半導体って、何のためにあるのか、分からなかったのが、分かった。半導体って、トランジスターとか、ダイオードだもんな」
私「今、世界的な、半導体不足と言われてるけど、原子力電池作るために、各国が、買い占めてるんだよ。って、冗談言ったら、笑ってくれる?」
麻友「もうちょっと、平和なときに言ってよ」
私「重要な話がある。中国で、発表された論文? という一幕があったのを、覚えていると思う」
結弦「実際、中国へ行ったことのある、僕が、あんなことを、言うはずは、ないんだけど」
私「ちょっと、予想を、しよう。2022年の理科年表では、ニッケル63の半減期は、101.2y だった。これと、恐らく独立の計測による、1994年の理科年表で、ニッケル63の半減期は、どう書いてあるだろう?」
若菜「お父さんは、もう知っているのでしょう?」
私「実は、そうだ」
若菜「やっぱり」
麻友「100y とか?」
結弦「90年とか?」
若菜「中国のは、正確なのよ。101y とか?」
私「皆、分かってるな。実は、麻友さんが、正解で、
となってる」
麻友「ぴったり100年なの?」
私「だから、実験値だって」
結弦「どうして、中国を、擁護したの?」
私「あのネットニュースの最後に、
『PCT国際特許の取得を進めている』
と、あっただろう。あれ、思いとどまってくれないかなあって、思っているんだ」
若菜「特許取っちゃいけないんですか?」
私「折角のアイディアを、公共のものにした方が良い」
結弦「特許以外に、どういう方法が、あるの?」
私「論文を書く。或いは、子供でも分かるように、原子力電池のメカニズムを、中学校ぐらいで、教えちゃう」
結弦「弱い相互作用の、説明を?」
私「お前たちだって、分かってたじゃないか」
麻友「一応、分かった気にはなったけど、本当は、ダイオードって、ペンライトの発光ダイオードくらいしか、知らないし、良く分からないのよ」
私「私も、本当にどこまで、分かっているかと問われたら、心許ない。麻友さんへのラヴレターだと思っているから、一所懸命書いてるけど」
麻友「特許は、取らない方が、良いというのが、結論?」
私「これだけ素晴らしい、アイディアでも、特許を取れば、直ちに、似たような原理の、別な電池が開発され、ニセモノも出回る。当然訴訟を起こすことになり、余計なことがどんどん起きてくる。資本主義というのは、そうやって、競争をよしとしてきたが、それで良かったのかどうか、分からない。お金儲けなんて、もう止めようよ。というのが、結論だ」
麻友「私の誕生日まで、まだ2カ月あるのよ。こんな、全力出したラヴレター書いちゃって、大丈夫なの?」
私「母が、メール待っているから、薬飲むね」
私「おやすみ」
若菜・結弦「おやすみなさーい」
麻友「おやすみ♡」
現在2024年1月17日23時39分である。おしまい。